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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2018年 01月 23日 ( 1 )

映画レビュー『FRANK-フランク-』そこはかとない哀しみとユーモアが同居する不思議な映画



FRANK-フランク-

監督: レニー・エイブラハムソン
出演: マイケル・ファスベンダー、ドーナル・グリーソン


マイケル・ファスベンダーが、ほぼ全編被り物をして
ロックバンドのボーカルを演じる『FRANK-フランク-』。
監督は次に『ルーム』を監督することになる
レニー・エイブラハムソン。

主人公は音楽への情熱はあるが、才能はないジョン
(演ずるは「最後のジェダイ」のハックス将軍、ドーナル・グリーソン)。
ある日、ジョンは偶然から、バーに出ていた前衛バンドの
ソロンフォルブスに参加することになる。
バンドのボーカルは、巨大な被り物の顔を被ったフランク。
最初は驚くジョンだったが、レコーディングに誘われ、
アイルランドの田舎の別荘にバンドメンバーと籠もることになる。
しかしなぜか、フランクとマネジャー以外のメンバーは、
ジョンに友好的ではなかった。
やがて、ネットに投稿した映像がきっかけになって、
ソロンフォルブスはテキサスの音楽祭、
サウスバイウエストに招かれることになるのだが、、。

端正な顔立ちのファスベンダーだが、ここではほぼ全編、
被り物をしていて顔を見せない。
彼はなぜ、自分の顔を見せられないのか。
その理由は最後に明かされるような明かされないような。
精神の病の原因は、一つだけではなく、
また他人にわかるようなものではないということだろう。
バンドメンバーたちも社会にうまく適合できない奴らばかりだが、
しかしそのフランクがいるから生き生きと音楽ができる。
ただし、それは外に向かわず、
自分たちの世界でしか発揮できない。

本作の音楽が秀逸で、主人公のジョンが作る曲は
才能がないのがわかるし、フランクらの前衛バンドの音楽も
いいけど決してメジャーにはなれないタイプの音楽だったり、
弾き語りがいい曲だったりと、様々なタイプの音楽を、
映画の中の役割に合わせて作っている。

全体を通して流れているのは、
笑いと悲しみが入り交じった、微妙な空気感。
この映画を見て、感動して泣いたりと、
激しく感情を揺さぶられることはないだろうが、
人ってやはり人を必要している、そんな優しさも伝わってくる。
心に引っかかる、そんな作品だ。
ファスベンダーが歌う、「I LOVE YOU ALL」も、しみじみいい曲。
★☆

by mahaera | 2018-01-23 11:44 | 映画のはなし | Comments(0)