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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2018年 11月 25日 ( 1 )

最新映画レビュー『エリック・クラプトン 12小節の人生』 E.C.のヒストリードキュメンタリー


2017年/イギリス

監督:リリ・フィニー・ザナック
出演:エリック・クラプトン、B.B.キング、ジョージ・ハリスン、パティ・ボイド
配給:ポニー・キャニオン
公開:11月23日よりTOHOシネマズシャンテほか

常人には波乱万丈の人生としか思えないギタリスト、
エリック・クラプトンの人生を時系列で追う
ヒストリー・ドキュメンタリー。
2時間を超える長尺だが、とくに仕掛けもなく続いていくので(それが人生だが)、ファン以外は最後はちと退屈になるかもしれない。

描かれている内容は、「エリック・クラプトン自伝」
読んだり、ファンでロック雑誌を読んだ人にはご存知だが、知らない人にはまさに波乱万丈。
ずっと母だと思っていた人は実はおばあちゃんで、
ある日、本当の母親が現れた少年時代。
ここでジョン・レノン同様、エリックは家族愛や女性愛をこじらせてしまい、のちの女性遍歴につながるのか。
その後、ヤードバーズ、ジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズ、クリームと、上り調子のギタリスト人生。「Clapton is God」の時代だ。
ジミヘンとの出会い、ホワイトアルバムへの参加
ブラインドフェイスと、音楽人生も丁寧に語られる。
アレサ・フランクリンのレコーディングへの参加など、
いいエピソードも。

中盤は一番の山場となる、親友ジョージの妻パティへの報われぬ愛だ。
夫がインドに傾倒し、女として相手にしてくれない不満。
パティはビートルズの妻たちの中でいちばんの美人だから当然だろうが、ジョージの家の近くに引っ越してきたエリックは、彼女がいながらパティにメロメロになる。
しかし彼女のために名曲「いとしのレイラ」を含むデレク&ドミノスの名盤を作り、それを聴かせてもなびかなかったからバンドやる気なくすのも如何なものか。
パティが好き、というより、手に入らないから求めているようにしか思えない。
その後、激しいヘロイン中毒に陥り、
廃人のような1年を送る。

長いクラプトンの人生にとってはまだ序盤のはずだが、
その後から現在まではけっこう駆け足。
ドラッグ中毒から回復し、ソロアルバム「461オーシャンブールバード」の成功から再びシーンに復帰するも、
今度はアルコール依存症になり、暴力的になったり、
女性に次から次へと手を出す。
ようやく1979年に念願叶ってパティと結婚するも、
エリックのアルコール依存症と女性依存症は治らず(同時に何年にもわたって複数の女性と交際し、子供までいた)、1989年パティはエリックのもとを去る。

その後、エリックは彼の子を産んだイタリア人女性と結婚し、子供コナーを愛するようになるが、コナーは1991年にニューヨークのホテルから転落死
失意のエリックはその辛さを音楽に向け、アルコール依存症も克服し、亡き息子のために「ティアーズ・イン・ヘブン」を書き上げ、「MTVアンプラグド」でグラミー賞を受賞する。

ソロになってからのアルバムごとの変化は、
ほとんど取り上げられず、後半がプライベート中心に
なってしまったのが残念。最後は家庭人となり、ようやく幸せが訪れるというエンディングだが、こう見ていくと彼の人生は、常に何かに依存していたのだなうと思う。
珍しい演奏シーンはないのと、肝心のクラプトン本人のインタビューが無いのが残念。深みが足りないので、できればスコセッシあたりに作って欲しかったかなあ。

★★★


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by mahaera | 2018-11-25 12:46 | 映画のはなし | Comments(0)