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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2019年 03月 11日 ( 1 )

最新映画レビュー『アリータ:バトル・エンジェル』興行的には厳しいらしいが、けっこう楽しめた


もう20年近く前から「ジェームズ・キャメロンが映画化する!」と話題になっていた木城ゆきとによる漫画『銃夢』の待望の映画化。
途中でキャメロンが『アバター』の製作を優先したため、製作は棚上げになっていて、もう作られないかと思っていたら、2015年にロバート・ロドリゲス(『デスペラード』『スパイキッズ』)が製作に加わり、監督に就任。
2016年からようやく撮影が開始。
当初は2018年7月公開が、二度の延期により2019年2月にようやく公開の運びとなったが、それもなんだか不安要因となる。
監督が出来不出来のあるロドリゲスというわけで、期待薄で見たのだが、、。

舞台は地球と火星連邦との没落戦争から300年後の地球。
荒廃した地球は、地球最後の空中都市ザレムと廃棄物が積み上がるクズ鉄の町アイアンシティに二分されていた。
ある日、医師のイドはクズ鉄の中から、300年前のサイボーグの少女の頭部を発見する。
それを蘇らせたイドだが、少女の記憶は失われており、イドは彼女を“アリータ”と名付ける。
やがてアリータは戦いに巻き込まれていくうちに覚醒し、自分がかつて没落戦争の戦士であったことを思い出していく。

ストーリーや世界観は、原作が発表された1990年代初期に流行っていたサイバーパンク
人体を機械化していくという描写はその影響(『攻殻機動隊』とか)。
上流階級は天空都市に住み、というのは映画『エリジウム』にもあったし、キャメロンが映画化しない20年のうちにこの作品の多くの設定は他の映画でも使われてしまった。

しかし、何か新しいことをやらずにはいられないのがキャメロンだ。
様々なCGIがこの映画には詰め込まれているが、一番はなんといっても主人公アリータの目だ。
アニメの登場人物のような大きな目は、人間のようで人間ではないことが一目でわかる。
それが観客の共感を呼び、人間の男性と恋をするのを違和感なく見せなくてはならない。
予告編だけだとちょっと違和感を感じるかもしれないが、映画ではこのアリータの表情に多大な努力が使われたことは想像できる。
気持ち悪くならなく、共感できるが、ふつうの人間ではないというラインに絶妙になっているのだ。
『アバター』で惑星パンドラの女戦士ネイティリのルックスに最初は違和感を感じつつも、最後には女性として見られるようにした手腕はここでも生きている。

また、キャメロン映画のすべてに共通する「強い女性が、愛する男性を守る」というマインドはここにも生きている。
ただしアリータは見た目は今までのマッチョタイプの女性ではなく、むしろ小さくて華奢。
それが「戦うと強い」というギャップが“萌え”だろう。
残酷なぐらい破壊力を発揮するが、好きな人の前では少女のようになる。
そういったシーンでは、画面も逃げずにアリータの顔のアップで語らせる。
アリータは泣き虫ですぐに涙を流すが、それはもっとも人間らしい面なのだ。

ということで、見せ場は何度かあるアリータが戦いを決意する瞬間だ。
恋する少女から戦闘マシーンに切り替わる瞬間が、この映画の見せ場といっていいだろう。
バトルになったら、強いのがわかっているので、それほどハラハラはしない。

しかし、何となく予想はしていたが、映画は「これから!」というところで、唐突に終わる。
そう、本作は原作漫画の第4巻までの映画化らしい。当然ながら、続編ありきのエンディングだ(ラスボスが登場して、続く)。
これに不満の方も多いだろう。まあ僕は慣れっこになっているので平気だったが、無理矢理テンポアップして終わらせるよりは、未完の方がいい。
しかしアメリカでは制作費の半分しか興行収入がなかったので、続編はできないかなー。
ぜひ見たいのだが、キャメロン、がんばって! 
★★★☆


by mahaera | 2019-03-11 11:03 | 映画のはなし | Comments(0)