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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2019年 03月 12日 ( 1 )

最新映画レビュー『サッドヒルを掘り返せ』あの名作ウエスタンのロケ地を有志たちが復活!


セルジオ・レオーネ監督作品はすべて名作だが、なかでも世界中の人々に愛されているのが『続・夕陽のガンマン』だ。
南北戦争を背景に、3人の無法者が盗まれた金塊をめぐって出し抜こうとするマカロニ・ウエスタンで、小さな話がどんどん膨らみ、最後には一大叙事詩となる。
クリント・イーストウッド、イーライ・ウォーラック、リー・バン・クリーフの3人にとっても代表作となった。
そしてクライマックスに流れるモリコーネの超名曲「黄金のエクスタシー」は、メタリカのコンサートのオープニングで流れることでも知られている。
たぶん、最近の映画しか見たことがない人には、驚くばかりのクライマックスでは。
音楽に合わせて墓地を走り回るだけ、そして3すくみ状態の対決での顔のアップが延々続く。
かくいう僕も映画館で少なくとも5回、DVD購入して5回は見ている。

この映画のロケは、他のマカロニウエスタン同様、フランコ政権下のスペインで行われた。
有名なのは南スペインだが、この『続・夕陽のガンマン』のクライマックスとなるサッドヒルの円形墓地での対決シーンは、マドリード北方、ブルゴスの町の郊外にあるミランディージャ溪谷にスペイン軍を集めて造られた墓地で行われた。
撮影後は打ち捨てられ、土に埋もれて忘れられていった墓地だが、熱心なファンがそれを再発見。
やがて地元の有志たちを巻き込み、草の根運動で墓地を掘り返し始める。
やがてその動きは世界中のファンを動かし、50年の時を経てサッドヒルが蘇る。
本作はその過程を記録したドキュメンタリーだ。

本作には映画に関わった人々への貴重なインタビューも含まれている。何しろ50年前の映画で、生きている人は少ない。
映画を見ているときは「こんな墓地もあるんだ」と思っていたが、「円形墓地」というアイデアは創作で、古代ローマの円形劇場を模したというのは、さすがイタリア人の美術監督。
ドキュメンタリーのクライマックスは、50年を記念してサッドヒルで行われた『続・夕陽のガンマン』の記念上映。
そこでイーストウッドへのインタビュー映像が公開。
ファンたちによっては感無量だろう。

ということで、『続・夕陽のガンマン』ファンにはうれしいドキュメンタリーだが、逆にファンクラブの集まり以上に広がりがない出来でもある。
そこから広がって何かが見えてくる、というわけではない。
ないものねだりだろうが。★★☆


by mahaera | 2019-03-12 09:41 | 映画のはなし | Comments(0)