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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2019年 04月 08日 ( 1 )

マハエラ的名画館『男と女の詩』1973年/フランス映画


『男と女』のクロード・ルルーシュ監督作品。

冒頭、主人公である初老の宝石強盗シモンが刑務所で見ている映画が同じルルーシュの『男と女』であることから、この邦題がついたが、原題は「La Bonne Annee(新年)」
新年の特赦で刑務所を出獄したシモンが、かつての恋人フランソワーズに会いに行く。しかしそれは警察の罠だった。
シモンは警察の追っ手を巻き、フランソワーズの家に行くが、彼女はすでに男と暮らしていた。
シモンは彼女との出会いを思い出す。


今じゃ、こんな強面の渋い人は主演にならないだろうとうリノ・ヴァンチュラ(日本なら松方弘樹か)主演。
彼が相棒(やはり老人)と南仏の小さな宝石店から宝石を強奪しようとする。
その計画を丁寧に(地味に)見せているのが、70年代映画らしい。
ヴァンチュラは宝石店を偵察するうちに、隣の骨董屋の女主人フランソワーズに一目惚れをする。
彼女に近づくために、彼女が欲しがっていたテーブルを手に入れたりと、強盗とは関係ない努力もいろいろし、その甲斐あってフランソワーズもシモンが好きになり、ついに二人は結ばれる。
しかし翌日は強盗の決行日。周到な準備をしたおかげで、うまくいくかと思って見ているが、最後の最後でシモンはあっけなく捕まってしまう(宝石を盗んだ相棒は予定通り脱出)。
シモンが犯人だと知って驚くフランソワーズ。
しかし彼女はシモンを愛しており、刑務所に通う。

出所を告げずに彼女の家に行き、男がいることを知ったシモンは、強盗の分け前を受けとり、そのまま南米へ行こうとするのだが、最後に迷ってフランソワーズに電話する。
ここからが驚きだったのだが、フランソワーズは一緒に暮らしている男をさっさと追い出し、シモンに「来て」という。
やってきたシモンの様子を見て、フランソワーズはシモンが自分が男と暮らしていたことを知っていると悟るが、「あなたを待って生きるためには仕方がない」という。
シモンはまだモヤモヤしているが、「新年おめでとう」と言って幕を閉じる。

一緒に暮らしていた男をさっさと追い出せるのとか、あなたのために仕方がないと言える女性の論理は、男には理解しにくいが、恋愛に関しては男の方がくよくよしているんだろうな。モヤモヤするが、そこは追求しないのが大人の男ヴァンチュラ。


宝石強盗のシーンは、今見てもシンプルだが逆にリアル。
高性能なコンピューター技術もないし、撃ち合いだってない。
実際にありそうなレベルの強盗だ。
そして強盗シーンと同じぐらいの割合で二人の恋話を描いており、最後はそこに落ち着くのがフランス映画。
しかも二人とも若者じゃないしね。

フランソワーズ役は、フランソワーズ・ファビアン
映画にも本人役で登場するミレイユ・マチューが主題歌を担当。
このテーマがフランシス・レイらしいいい曲で、前にも紹介した『雨の訪問者』もそうだが、少ない音数のリフレインで甘いメロディーを作っている。
日本ではヒットしなかったが、フランスでは主題歌はヒット。またアメリカで1987年にピーター・フォーク主演で『恋する泥棒』としてリメイクされているらしい(未見)。
フランシス・レイは昨年の11月に亡くなったが、いい音楽をたくさん残していたので、機会があればまた紹介したい。ということで、主題歌をここに貼っておく。


by mahaera | 2019-04-08 10:58 | 映画のはなし | Comments(0)