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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2019年 04月 09日 ( 1 )

最新映画レビュー『レゴⓇムービー2』戦いの先に見たものは、敵はもう一つの正義だった


「レゴ・ムービー? しかも2だろ」と思う人もいるかもしれない。
そんな人はまず「1」を観てみよう。何の先入観もなしに。
ということで、この先も読まないようにと言いたいのだが、何も知らないで観るとそのSF的な展開と、ドラマの着地点に驚くはず。
『レゴⓇムービー』1は、レゴの世界で、選ばれし者が世界を救うパーツを発見し悪を倒すという、「ロード・オブ・ザ・リング」的な話かと途中まで思って見てみると、2/3ぐらいのところでそれは“あること”のメタファーというか、別次元の話であることがわかる。
神の視点が投入されるからだ。その時、思ったね。
ああ、この自分が住んでいる世界も、神から見たらこんな感じなのだと。
おっと、これ以上は書けないが、『レゴⓇムービー』のラストは、神が下した新しい決定(新約)が、レゴの世界に別の価値観を持ったデュプロが侵略するところで終わる。
そして本作はその続きから始まる。


デュプロの侵略後、レゴシティは荒廃し、人々の心はすさんでいたが、“選ばれしもの”だったエメットはただ一人いつものように超ポジティブ。
恋人のルーシーとのマイホームをユメみている。
しかし“宇宙”からやってきたものに、ルーシーや仲間のバットマンを女王の星に連れ去られてしまう。
エメットは宇宙船に乗り、女王の星へと向かう。

ストーリーはこんな感じだが、本作は一つ一つのディティールが、「何をレゴ化した」のかを考えてみると面白い。
お父さんお母さんなら、自分の子ども達の頭の中、そうじゃなくても自分が子供だった頃、何を考えて日々生きていたかを思い出すだろう。
想像力が足りない大人たちが多すぎるが、そんな大人もかつては頭の中に宇宙を創造するほどの空想力を持っていたはず。
神様がこの世を作ったなら、すべての子供たちは毎日頭の中で、世界をクリエイトしている点で神に近い。
おもちゃを動かして遊ぶのは、“神の視点”だ。
しかし、もう一人神が現れたら? 
自分が唯一の絶対神でなくなったら?

『レゴⓇムービー』『レゴⓇムービー2』のすごいところは、戦いの先に見たものは、敵は絶対悪ではなく、もう一つの正義だったということを子供にも大人にもわかるように描いてること。
子供が自分以外に最初に意識して軋轢を感じるのは、親。
これは『レゴⓇムービー』で描いた。次は兄弟姉妹だ。
親ほど絶対的ではないが親しい他者。時にはケンカもする。
それとどう折り合っていくかが『レゴⓇムービー2』のテーマだ。
特に相手が自分よりも、幼稚な存在だった場合に。

今回も、そのテーマが見えてくるのが、物語が後半に差し掛かってから。
レゴが現実世界のメタファーなら、今、私たちが生きているこの世界も、髪の頭の中だけに存在する世界なのかもしれない。そんな哲学的なことも考えてしまう作品だ。★★★


by mahaera | 2019-04-09 22:24 | 映画のはなし | Comments(0)