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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2019年 04月 19日 ( 1 )

子供に教える世界史[古代編]前1200年のカタストロフとオリエントの混乱/その2 ヘブライ人の登場

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(写真)トルコ東南部にあるシャンルウルファは、トルコではアブラハムの生誕地と信じられている(イラクは自国のウルと主張)。古代ローマ時代にはエデッサと呼ばれていた。これはそこにある「聖なる魚の池」。モスクの中庭にある。

ユダヤ人の先祖・アブラハム
旧約聖書によれば、ヘブライ人(自称はイスラエル)は、もともとチグリス・ユーフラテス川上流地域で遊牧生活を送っていた。
最初の預言者となる族長アブラハム(イスラーム教ではイブラーヒーム)がその祖先という。
「創世記」では、天地創造、アダムとイブ、カインとアベル、ノアの箱舟、バベルの塔と神話的な話が続き(1章から11章まで)、その後に歴史も混じったようなアブラハムの話(12章から25章まで)が続く。

カルデアのウル(イスラーム教ではトルコのシャンルウルファとされている)出身のアブラハムは一族を連れてカナン(現在のパレスチナ)を目指すが、途中のハランの地(現在のトルコのシャンルウルファの郊外)に住み着く。
アブラハム75歳の時にようやくカナンの地への移住を果たすが、その後、飢饉に襲われてエジプトの地へ移り住んだ。
やがてアブラハムの一族はエジプトで財産を築くことができ、カナンの地へ戻った。
その時、ヨルダン川西岸に住んだアブラハムに対し、弟のロトの家族はヨルダン川東岸(ソドムやゴモラがある地)に移り住む。
アブラハムと妻サラとの間には当初、子供ができず、アブラハムは奴隷のハガルを妾としてイシュマエルが誕生する。
しかし正妻サラとの間にイサクが生まれると、ハガルとイシュマエルは砂漠に追いやられ、アラブ人の祖先となった。
これは「創世記」の記述だが、それをそのまま実際の歴史に当てはめることはできない。
ただし、当時(旧約聖書が編纂された頃)のヘブライ人が信じた「歴史」であることは確かだ。

「出エジプト記」前編
ヘブライ人はやがて集団でカナンから南下して、エジプトに移り住んだ。
これが歴史上のいつのことかというと、彼らに“好意的な王朝”ということで、地中海東岸からやってきてエジプトを支配したヒクソス王朝時代(前18〜16世紀)と言われている。
ヘブライ人はおそらく、ヒクソスと共にエジプトへやってきたのだろう。
やがてエジプトはヒクソスを追い出して新王国を築いたが、その後もヘブライ人はエジプトにとどまった。
この時、エジプト人に「ヘブライ人」と言われるようになったらしい。
旧約聖書によれば、奴隷として迫害されたヘブライ人は、指導者モーゼに率いられてエジプトを脱出し、シナイ半島を経てカナンの地へと移り住んだ。
ただし、旧約聖書にはエジプトの史実上の王名がないこと、エジプト側にヘブライ人の脱出の記録がないことから、それがいつか、本当にあったことなのは今も特定できていない。(続く)


by mahaera | 2019-04-19 12:26 | 子供に教える世界史・古代編 | Comments(0)