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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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2019年 05月 16日 ( 1 )

名盤レビュー/ザ・バーズ The Byrads その2 ターン・ターン・ターン Turn! Turn! Turn!(1965年12月)

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アルバムに先行し、10月1日に先行シングル発売されたタイトルトラックの「ターン・ターン・ターン」が、12月4日に全米1位。B面はジーン・クラーク作の「シー・ドント・ケア」

「ターン・ターン・ターン」はフォークシンガーのピート・シーガーの1950年代作のカバー。旧約聖書が元なので、歌詞は名言のオンパレードだ。

レコード会社は、ディランの「イッツ・オール・オーバー・ナウ・ベイビー・ブルー」のカバーをシングルに望んだが、バンドはディランではなく、シーガー作を選んだ(ディランの方は現在はボーナストラックで聴ける)。


アルバムは11月6日発売。ディランのカバーは2曲。その他のカバー3曲と、ジーン・クラークの3曲、マッギンの2曲(共作含む)、タイトルトラックを加えた全11曲が含まれている。オリジナルの5人編成最後のアルバムでもある。

ベストトラックは、やはりタイトルトラック「ターン・ターン・ターン」。12弦ギターのサウンドもコーラスワークもバッチリ。初期のベスト曲の一つだ。フォークから一歩前進してロック的なリズムだが、これはこのアルバムからメンバーが録音で楽器演奏をするようになったこともある(前作はスタジオミュージシャンの演奏が大半だった)。「涙の乗車券」的な12弦ギターのアルペジオも印象的だ。

2曲目はマッギン作の「It Won't Be Wrong」で、このアルバムから徐々にマッギンの曲作りが見られるようになってきた。この曲はシングルのB面にもなったが、そのA面曲がこのアルバム3曲目ジーン・クラークによる「Set You Free This Time」で、Aメロはコーラスなしなのでジーンの声質がわかる。ロックよりもポップス的な明瞭な声だ。この2曲は翌1966年1月10日にシングルとして発売。最高位79位と、シングルとしてはパッとしない出来に。なぜ、地味なこの曲をシングルに選んだのか謎。なので一ヶ月後の2月にはAB面を逆にして再発。「It Won't Be Wrong」が63位に。


4曲目はディラン作の「Lay Down Your Weary Tune」だが、ディランのバージョンは1985年までレコード未発表。マッギンのリードボーカルでいい感じだ。
5曲目はフォークの伝統歌「He Was a Friend of Mine」で、これもマッギンのボーカル。ドラがなくタンバリンがアクセントを入れるだけのフォーキーなムード。


B面に入り、1曲目はバスドラが軽快な8ビートを打つロック曲「The World Turns All Around Her」。ジーン・クラーク曲で、フォークロックと言うより、ロックに近い。
2曲目はエラ・フィッツェラルド、ジョーン・バエズ、ウィリー・ネルソンなど多くの人々がカバーしている1955年発表のスタンダード曲「Satisfied Mind」。リズムは三拍子で、ドラムの代わりにタンバリンが静かにアクセントを入れるだけ。
3曲目はジーン・クラークのやはり3拍子曲「If You're Gone」。ペダルで鳴り続ける低音のバグパイフ風の音が印象的。
マイナーな曲が続いた後の4曲目は、軽快で明るいディラン作の「時代は変わる」。リードボーカルはマッギン。オリジナルは3拍子だったが、ここでは4拍子に変えている。
5曲目はマッギンによる「Wait And See」。最後の6曲目がフォスター作曲による「おお、スザンナ」。西部劇でもおなじみの曲のカバーだ。

このアルバムにより、すっかりフォークロックの代表的なバンドとなったザ・バーズだが、この後、バンドの顔でソングライターもあるジーン・クラークの脱退を迎えることになる。


by mahaera | 2019-05-16 14:38 | 音楽CD、ライブ、映画紹介 | Comments(0)