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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

2019年 05月 18日 ( 1 )

最新映画レビュー『ガルヴェストン』 アメリカのノワール小説をフランス人女優が監督。独特の味わいを残す小品


解説を読むまで知らなかったのだが、「TRUE DETECTIVE」と評判のいいTVシリーズのクリエイターであるニック・ピゾラット。
その彼による小説『逃亡のガルヴェストン』も好評で(アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞候補にもなった)、本作はその映画化だ。
ガルヴェストンも知らなかったのが、実際にあるテキサス州ヒューストン郊外にある海沿いの町。主人公の思い出の町として本作に登場している。

1988年のニューオーリンズ。組織で働くロイ(ベン・フォスター)は、ボスの勧めで行った病院でレントゲンを見せられ、自分の命が短いとさとる。ボスの命で行った仕事先で、ロイは待ち伏せを食らうが反撃。女絡みのトラブルによる、ボスの裏切りだった。ロイはそこで囚われていた若い女性(エル・ファニング)を連れて逃げだす。彼女の名はロッキー。家出をして、金に困って娼婦をしていたという。ロッキーを見捨てることができないロイは、彼女と彼女の小さな妹を連れ、逃避行を続けることに。。

宣伝費もあまりかけられず、ひっそり公開されることになるノワールの小品。
組織に裏切られ、死期の近づいた犯罪者が、最後に行きずりの女と逃避行をする
主人公は癖のある顔をして悪役(『3時10分、決断のとき』など)が多いベン・フォスターなので、粗雑で暴力的、なおかつ意志が弱い男にはぴったり。
その彼が愛を注ぐのが、現在絶好調の女優エル・ファニング。美人顏ではないが、とにかく華があるというか、本作でも彼女は輝いている。

犯罪映画だが、ちよっとテイストが違うのは、監督がフランスの女優メラニー・ロラン(『イングロリアス・バスターズ』のユダヤ人女性役)だからか。アクションよりも、二人のさりげない情感を描いている。70年代のフランスのノワールもののようでもあるが、そうした作品を見慣れていない人には、かったるく感じるかもしない。
また、スカッとしない終わり方も、70年代的だが、それがちょっと味のある作品に本作を仕上げている。
★★★

by mahaera | 2019-05-18 11:13 | 映画のはなし | Comments(0)