小説ではないが、映画『トランボ』の元ネタになった、
脚本家ダルトン・トランボと関係者にインタビューした
ブルース・クックの評伝が、映画公開時に発売されていた。
すっかり忘れていたが図書館にあり、一ヶ月ぐらいかけて読む。
映画はトランボの赤狩り時代から復権までのドラマだが、
このルポは大勢の人たちの証言が中心なので、行きつ戻りつ。
そしてドラマチックな展開はさほどない。
例えば映画で一番スカッとした、ジョン・グッドマン演じる
三流映画会社の社長が、トランボをやめさせろと脅しに来た男に
バットを振りかざして出て行けという場面、あれはない。
つまり映画を盛り上げる創作だが、映画には必要なシーンだ。
また、映画ではヘレン・ミレン演じる、トランボを攻撃する
辛口コラムニストのヘッダ・ポッパーもここには登場しない。
つまり映画は評伝を参考に、それ以外の史実も取り混ぜ、
再構築したものになっている。
そして、映画の方がドラマチックで圧倒的にいい(キネマ旬報でその年の第4位)。
ということで、また映画が見たくなった。
映画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
についてのレビューは、以前こちらに書いたので、
未見の方はどうぞ。