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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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銀座3ギャラリー巡り「資生堂ギャラリー」「銀座エルメスメゾンフォーラム」「ポーラミュージアムアネックス」


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仕事の試写で13時から内幸町で「クリード2」、
18時から京橋で「バジュランギおじさんと、小さな迷子」。
途中、15時から2時間半ほど時間が空いたので、遅い昼食を食べつつ、歩いて銀ブラすることに。
内幸町→新橋は徒歩5分。新橋の博品館前を通り、銀座8丁目の資生堂ギャラリーへ。
そのあと、銀座5丁目のエルメスメゾンフォーラム、銀座1丁目のポーラミュージアムアネックスと
3つの無料ギャラリーを回った。

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■資生堂ギャラリー

資生堂ビルの地下にある小さなギャラリー。
展示は「それを超えて美に参与する 福原信三の美学」
資生堂ギャラリーの創設者の回顧展だが、何か作品が展示しているわけではなく、彼が関わった本や写真がウッデイなギャラリーにポツポツとあるだけで、面白くはなかった。
ただし、コーヒーの無料サービスはありがたいので(笑)、テーブルに腰を下ろし休憩。
無料企業文化誌「花椿」のバックナンバーがあるのもうれしい。


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■銀座エルメスメゾンフォーラム
あのド派手なエルメスビルの8階にあるのだが、店内を通り抜けしないとエレベーターに乗れない。店内はスカーフを買い求める人でいっぱいだったが、ギャラリーは静か。
ここでは「眠らない手」というタイトルの、エルメス財団のレジデンシープログラムを受けた数人のアーティストたちによる作品展。
展示もきれい。アーティストもひとり在廊。
作品はまあ、こういうのって好き嫌いあるんだろうけど。


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ポーラミュージアムアネックス
シンガポールのフォトグラファー、レスリー・キーのカップルや家族を撮った「We are Love」のポートレイト100点。雑誌の表紙を飾りそうなくらい、こちらを見るまなざし。


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夕暮れ、ビルのショーウインドーがちょうどいい色合いに。

なかなか心の余裕がないが、今度また時間があったら、ショーウンイドー巡りもしたいな。

ちょうどクリスマス仕様だし(笑)


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by mahaera | 2018-12-08 08:12 | 日常のはなし | Comments(0)

2018箱根ポーラ美術館の「ルドン展」に行く

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週末に箱根のポーラ美術館のルドン展
最終日12.2に行ってくる。
初めて行った美術館だが、遠い、遠いよ〜。
箱根湯本からの交通連絡が悪かったので、
すぐ来る違う路線のバスに乗り、
そこから徒歩20分というナビにしたがったら、
最後の20分はひたすら急坂を登り、着く頃には疲労。。

美術館はけっこう立派なもので、
最終日とあってなかなかの人出。


昔はルドンとルオーをよく間違えていたが、
今では「目玉の人」とちゃんとルドンがわかる。
一番好きな絵は一つ目巨人の「キュクロプス」だが、
今回はこの作品展示はない。
「キュクロプス」は、僕が子供の頃によくテレビでやっていたハリー・ハウゼンの「シンドバッド7回目の航海」の一つ目巨人サイクロプスそのもので、さらにそれが無表情に見えることからかなりの怖さの絵だったな。


あとは黒一色の版画の目玉
こちらは美術展では水木しげるの目玉おやじと並べていたが、雰囲気は『眼=気球』は鬼太郎の悪役バックベアードのほうが近い。
それについて触れておらず残念。
あと、顔からクモの足が出ているのは、
『遊星からの物体X』に影響与えたかなと。


ルドンの印象は、
「木炭画はいいけれど油彩や色彩を伴うものはイマイチ」
同時期の一流の印象派画家に比べると、
ちょっと落ちるというか。

関連作品として並べられているモネの「睡蓮」「ルーアン大聖堂」とか、点描画のスーラのように、自分のスタイルがあまりないというか。

借りてきたルドンの作品だけでは足りないので、
収蔵している他の印象派画家の作品も並べたり、
ルドンの影響ということで上記水木しげるや漫画「寄生獣」、そして日本の現代画家の作品も並べられ、じっくり見ると時間もかかり充実していた。

常設のガラス工芸品もきれいだったが、

増田セバスチャンの「モネの小宇宙」というKAWAIIアーティストの立体アートコーナーは、雑に感じた。このジャンルなら、もうちっと頑張っている人いるでしょ。

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あとは中庭が紅葉していてきれいだったなな。

天気が良ければよかった。。

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by mahaera | 2018-12-05 12:54 | 日常のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『世界で一番ゴッホを描いた男』中国のゴッホの複製画家が本物に会いに欧州へ



2016年/中国、オランダ

監督:ユイ・ハイボー、キキ・ティンチー・ユイ
出演:趙小勇(チャオ・シャオヨン)
配給:アーク・フィルムズ、スターキャット
公開:10月20日より新宿シネマカリテにて公開
公式ページ:http://chinas-van-goghs-movie.jp/

職人か芸術家か
その問いを自分に投げかける人は、世の中にたくさんいるだろう。
自分を表現するために何かを始め、それで飯が食えるようになっても、
いつのまにか単に技術を提供するだけになっている、
なんてこの世界、当たり前のことだ。
僕が住んでいる出版や編集の世界でもまったく同じ。
最初は“バイト仕事”ぐらいに感じていた、技術だけ提供する雇われ仕事が、いつのまにか生活を支えるようになっている。
このドキュメンタリーの主人公となる趙小勇(チャオ・シャオヨン)は、その逆だ。
スタート地点が、生活を支えるための模写だった。
そして20年目にして、彼の心を動かす出来事が起きる。

中国深圳市にある大芬(ダーフェン)村
複製画の制作が世界の半分以上のシェアを占めるという、
世界最大の絵画村だ。
ここには複製画を描く職人たちの工房が軒を連ねている。
地方の農村から出稼ぎでここにやってきた趙小勇は、独学で絵を学び、ここでもう20年、ゴッホの複製画を描いている
工房には彼の妻や親戚もいるが、籍はまだ地方にあるので、
娘は遠く離れ、言葉もあまり通じない田舎の学校に通わなくてはならない。

本作の前半は、この大芬村で複製画を描いていく人々や、
その様子を映し出していく。
その中で次第に、ベテランの趙小勇がクローズアップされていく。
彼の夢はいつしか、“本物のゴッホ”を見ることだ。
本やテレビでしか見たことがない、ゴッホの絵。
自分が20年も描いてきたものの、本物が見たい。
仲間のひとりは、すでに複製画ではなく、“自分の”絵を描くようになっていた。そんな焦りもあったかもしれない。

後半は、お金をかき集めて、ついに念願の欧州へ旅立つ
趙小勇をカメラが追う。
長年、自分たちの描いた複製画がアムステルダムの画廊で
売られていると思っていた趙小勇だが、
着いてみるとそこはただのおみやげ屋だった
失望が顔に浮かぶ趙小勇。
さらに販売価格が、自分たちの売値の8倍と知って
やるせない気持ちにもなる。
複製画だが、誇りを持って描いてた自分なのに。

そして彼は、アムステルダムのゴッホ美術館に。
ゴッホの自画像に見入る趙小勇。
彼の旅は、アルル、サン・レミ、最後の地となったオーヴェル・シュル・オワーズと続く。
ゴッホの足跡を訪ねるその旅はまた、
趙小勇が自分を見つめ直す旅でもあった。
自分はいったい何者なのか。
本物と偽物の違いとは? 芸術家と職人の違いは? 
帰国後、彼はある決断をする。

複製しか描いたことがなく、自分の作品がない趙小勇が苦悩する姿は、滑稽でもあり、また私たちに真摯に訴えかけるものでもある。
彼が苦しむ姿は、“本物”だからだ。
これといった大きな仕掛けはない小品だが、
趙小勇の問いは多くの人が感じていること。
きっと観客の心にも、その問いは投げかけられることだろう。
★★★
(この記事は、旅行人のサイト「旅行人シネマ倶楽部」に寄稿したものを転載しました)

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by mahaera | 2018-10-13 12:22 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『太陽の塔』 日本の経済発展を象徴する万博会場に現れた“異物”


2018年/日本
ドキュメンタリー

監督:関根光才
配給:パルコ
公開:9月29日より渋谷・シネクイント、新宿シネマカリテほか

エンタメ映画もいいが、たまにはこうした知的好奇心をくすぐるドキュメンタリーも観てみてはどうだろう。

現在、一般公開されている太陽の塔の内部だが、
この塔が建てられたのはほぼ半世紀前の1970年
日本中を熱気で包んだイベント「日本万国博覧会」の中心に
造られた祝祭空間「お祭り広場」の中心に、
この高さ70mの塔が建てられた。
広場の天井を突き破り、空に向かって両手を広げるこの塔は、
「進歩と調和」という陽性でポジティブな万博のテーマとは異質の、何か原初的なものも感じさせた。

本作は、その太陽の塔製作にまつわるエピソードから、
作者の岡本太郎という人物、
そして29人の識者たちへのインタビューなどを通して、
この塔が一体なんなのかを追うドキュメンタリーだ。
単なる「太陽の塔メイキング」ではなく、
この塔が何から影響を受け、何に影響を与えたのかという概念的なことにも踏み込んでいく。

ご存知かもしれないが、太陽の塔には、
過去、現在、未来という3つの顔があり、
内部には生物の進化の歴史を辿る「生命の木」がある。
“高度成長”で浮かれ騒ぐ日本で、
“発展”の陰でなかったことにされていく”過去”。
それに異を唱えるかのような、強烈な異物感がこの塔にはある。
それは、未来志向の万博に打ち込まれたくさびのようでもあり、またそれひとつが宇宙の如く存在している。

面白いのは、多様な専門家へのインタビューで、
みな「それぞれの太陽の塔」像を持っていることだろう。
単なる建築物ではなく、“象徴”ととらえているのだ。
それが、みなそれぞれがバラバラのイメージで、興味深い。
★★★
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by mahaera | 2018-10-03 11:04 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』傑作群を生んだ、画家ゴーギャンのタヒチ時代を描く



2017
年/フランス

監督:エドゥアルド・デルック
出演:ヴァンサン・カッセル、ツイー・アダムズ、マリック・ジディ
配給:プレシディオ
公開:127日よりBunkamura ル・シネマ他にて公開中

1891年のパリ、都会暮らしにゴーギャンは絶望し、まだ見ぬタヒチ行きを仲間たちに説く。
しかし同意するものは誰もおらず、また妻子もついていかず、
ゴーギャンはひとりタヒチへと旅立った。
タヒチでもパペーテの町は彼が望むような場所ではなく、
ゴーギャンはさらに奥地へと向かう。
そこで彼は村の娘テハアマナを見初め、妻に。
テハアマナはゴーギャンのミューズとなり、ゴーギャンの創作意欲を湧き立たせ、
後に知られる多くの傑作を生み出すが、幸せは長くは続かず、
テハアマナも文明に毒されていった。

映画で触れられていないが、物語が始まるのは
かつてゴーギャンが共同生活をしたこともある、ゴッホが亡くなった翌年。
ゴーギャンは、生涯に二度タヒチに滞在しているが、
本作はその第一回目となる1891-1893年の旅を描いたものだ。

今でこそ、私たちは後にゴーギャンが評価されたことを知っているが、
当時はほぼ無名で、たまに絵が売れるくらい。
パトロンもいないから、日雇い労働でもしなければ、
とてもではないが生活を維持することはできなかった。
タヒチに渡ってもそれは同じで、絵の具を買うお金にも困っている様子が描かれている。

芸術を追い求めるゴーギャンにとって、タヒチは楽園でもあり、
また生活を考えると、貧乏という点ではパリと変わらなかった。
いくら文明を拒否しても、文明がなければゴーギャンが生きていけないという矛盾。
木彫りを村の青年に教えるゴーギャンだが、そうすると青年は観光客が買いそうな同じものばかり作るようになる。
それを怒るゴーギャンだが、日銭を稼ぐために木彫りを道端で売る彼自身とどう違うのだろう。
もちろん彼の絵画は一級の芸術品だが、それとて誰にも売れなければ、
誰にも評価されていないということにもなる。

タヒチの海が楽園というより、ゴーギャンの逃避の場としてしか見えないのは、
映画を見ながら、アートと生活という、芸術家には大昔からついて回った問題が、
妙に生々しく見えてしまったからかもしれない。
サマセット・モームの『月と六ペンス』をまた読みたくなった。

映画自体が面白いかというと、それほどでもなく、
ヴァンサン・カッセルの熱演はわかるのだが、
映画のゴーギャン自体に魅力を感じられなかったのが残念。
★★☆
(旅行人のWEBサイト「旅行人シネマ倶楽部」に寄稿したものを転載しました)

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by mahaera | 2018-02-08 11:52 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』ファッションの舞台裏に迫る



『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他にて公開中。


日頃、ファッションにはほとんど興味のない僕だが、
なぜか関係するドキュメンタリーを見るのは好きだ。
自分の知らない未知の世界がまだこんなにあったなんてと、
思わせてくれるからだ。
昨春公開された『メットガラ ドレスをまとった美術館』
非常に面白かった。服やそのデザインも、創作という意味では
絵画や彫刻などとなんら変わることがない。

さて、ファッションデザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン
知っている人は知っているのだろうが、
「広告は一切打たない」せいか、
僕はこのドキュメンタリーで始めて知った。
本作はその彼がファッションショーを終え、
次のシーズンの準備に入るところから始まる。
カメラは彼の仕事ぶりだけでなく、彼の私邸に入り、
パートナーと暮らすプライベートな空間まで密着する。
その作品が色あざやかな生地やエスニック柄が特徴なのに対し、
普段着の彼はその真逆の、柄がなく、
色彩も抑えた服を着ているのが印象的だ。
それが、知的で優しげな雰囲気と合わさり、
穏やかな抑制を生み出している感じがする。

ファッションデザインでは珍しいのだそうだが、
彼自身はデザイン画を描かない。
その代り、生地作りから作業を始めていく。
職人の手による刺繍を重視し、インドのコルカタ
スタッフを駐在させて、刺繍工房の品質の管理や指導に
当たっていることにも驚いた。
そしてできた生地や刺繍を何度も当て、配色を組み合わせ、
試行錯誤の末に作品を作り出していく。
そうした仕事風景と並行して、プライベートでは自宅の庭で
花を摘み、部屋に生けていく。
そこにも「美」があるのも面白い。
★★★
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by mahaera | 2018-01-26 11:51 | 映画のはなし | Comments(1)

最新映画レビュー『ジャコメッティ 最後の肖像』 天才でも創作に行き詰ることがある



ジャコメッティ 最後の肖像
1月8日よりTOHOシネマズ シャンテにて公開中

日本でも展覧会が好評だった、
細長い人の彫刻で知られるジャコメッティ。
舞台は1964年、すでに有名になって
個展も開かれている晩年のジャコメッティ。
その彼に肖像画のモデルを依頼された
主人公ロード(アメリカ人作家)が、「2日ですむから」
と言われてアトリエに行くが、なかなか作品が完成せず18日間も
かかってしまう(映画はロードの回想録を基にした実話)。
そのため物語の大半はアトリエが舞台で、
そこに妻のアネット、ジャコメッティの弟のディエゴ、
そしてジャコメッティのミューズ的存在の娼婦カロリーヌ
が現れては消え、ジャコメッティはなかなか創作に集中できない。
モデルは椅子に座ってじっとしているだけだから、
そうした人間模様を観察する。

意外だったは、成功者なのに、
ジャコメッティの家もアトリエもみすぼらしいこと。
お金には無頓着なのかケチなのか、
必要ないものは欲しくないのか。
生活も質素といえば質素。
かといって高尚な職人気質ってわけでもない。
まあ、偏屈といえば偏屈だ。
観客は凡人側である主人公の気分だから、
最初は天才であるジャコメッティに気を使い、
早く完成してくれるように注意を払うが、
そのうち「コイツ、本当に完成させる気があるんだろうか」と不安になってくる。

モノづくりが難しいのは始めと終わりで、
特に仕事の依頼でもなく始めたものは、
“完成しない作品”になりがちだ。
自分で締め切りが切れないからだ。
人の創作風景を見るのはなかなか面白い。
映画は低予算の小作品で舞台にもできそうだ。
地味といえば地味な作品だが、きちんと作ってあるので創作好きな人には、興味を持って見れるはず。
「最後の肖像」というのは、彼が描いた最後の肖像画だから。
ジャコメッティにジェフリー・ラッシュ。
海賊バルボッサの人ね。主人公のモデルにアーミー・ハマー。
監督は、俳優のスタンリー・トゥッチ。


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by mahaera | 2018-01-20 11:33 | 映画のはなし | Comments(0)