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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『アナと世界の終わり』ハイスクールはゾンビだけらけのミュージカル


「ハイスクールミュージカルとゾンビものをかけ合わせたら」というシンプルな発想で、歌って踊ってゾンビを倒すという映画ができた。

キャストはほとんど無名に近い、イギリスの低予算映画で、インディーズ臭もぷんぷん。


舞台はイギスリの田舎町。

高校生のアナは、幼い頃に母が亡くなり、高校で用務員をしている父親と二人暮らし。

クラスメイトはパッととしない連中ばかり。高校卒業後は大学に行かずに、世界を旅するバックパッカーになろうと夢見ていたアナ。しかしクリスマスの日、旅行の計画が父親にバレてしまい、大げんかしてしまう。翌朝、友人のジョンと学校へ向かうアナだったが、その前にゾンビが現れる。一晩のうちに、街はゾンビだらけになっていたのだ!


ゾンビと化した人々が襲ってくる中、主人公のアナと友人たちは街中で、学校で歌って踊りまくる。ミュージカルの基本で、歌われる内容は、彼らの内面の声。自分の悩み、相手に対する恋心だ。邦画の『桐島、部活やめるってよ』でもそうだが、高校生にとってゾンビとは、死んだように生きている大人や同級生たちのメタファーだ。そしてそれは増殖していき、次第には友人や恋人さえを日々をただ生きているゾンビ(集団)の仲間入りし、自分が孤立化していく。

もっとも本作はコメディなので、その辺りは深く掘り下げないが。しかも映画最大の悪役はゾンビではなく、校長を狙う意地悪教師であり、脅威となるが頼り甲斐もあるのはクラスのイジメっ子だ。

映画はまあ手作り感ある他愛のないものだが、音楽がなかなかよくできている。80'sポップス風のどの曲もキャッチーで、耳に残りやすい。音楽チームは、以前公開された英国製ミュージカル映画『サンシャイン/歌声が響く街』にも参加しているようで、英国ミュージカルという流れが、日本では伝わりにくいけどきちんとあるのだろう。映画は★★☆ぐらいだが、音楽がよかったので★★★


by mahaera | 2019-05-31 07:22 | 映画のはなし | Comments(0)

「手塚治虫アシスタントの食卓」ぶんか社 堀田あきお&かよ

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GW中は読書と思ったが、何冊も手をつけたけど読み切ったのはこれだけ(笑)。

タイトルにもあるように、マンガ家・手塚治虫のアシスタントをしていた堀田さんが、思い出に残る食事や料理・食べ物とともに当時のエピソードをつづったマンガ。

今も連載中というが、ここには15篇が収められている。

読んでいると「ブラックジャック」連載中とか、映画「火の鳥」公開(1978)とあるので、時代は自分が高校生ぐらいのときだろうか。リアルタイムで読んでいた“あの頃”に引き込まれる。

一気に読むのがもったいないので、頑張って3日に分けて読んだ(一気読みだと30分ぐらいで終わっちゃうから)。

手塚作品は、今読んでもそのストーリーテリングに感心してしまう。

一般的にマンガはキャラクターが命で、ストーリーがほとんどない連載マンガも普通だが、手塚作品はテーマが必ずあり、そこへ向けてのストーリーがどの作品にもきちんとある。

普通の連載マンガは連続ドラマに似ているが、手塚作品は映画的なのだ。


さて、この「手塚治虫アシスタントの食卓」はそんな巨匠の元のアシスタント部屋の青春劇だ。

主人公ホッタくんの成長物語(になっていくと思う)と他のアシスタントの群像劇に、クセのあるOBアシスタントたち、いつも待機している編集者たちなど、手塚プロのスタッフなどが絡んでいく。

もちろん手塚先生も毎エピソードに出演。

とにかく面白く、次へ次へとページが進んでしまう。

アトムシールやレーズンバター、30年ぶりぐらいに思い出した(笑)。

各エピソードタイトル部分の脱力カットも笑える。いつか朝ドラになるかもしれない(笑)。

ということで、手塚マンガで育った人たちへ、オススメです。


by mahaera | 2019-05-10 09:44 | 読書の部屋 | Comments(0)

最新映画レビュー『シャザム!』子供がターゲットのDCヒーロー。しかし子供は喜ぶのかな?


知らなかったがシャザムはもともと「キャプテン・マーベル」というマーペル社のヒーローと同じ名前だったらしい。
いろいろあってDC社が権利を買い取った時に、
同じ名だとややこしいのでネーム変更。
子供が呪文を唱えると、ヒーローに変身するという、
イージーかつ、誰でも考える方法で夢を叶える
ということで人気が出たという。
さて映画版だが、「格好は大人でも中身は子供」という設定を上手く生かし切れているかというと、それほどではない。
スパイダーマンが20年に及ぶ紆余曲折を得て、
ようやく高校生らしくなってきたので、すぐには難しいとは思う。
ただ、全体的に大人が「こうしたら子供は喜ぶ」と
考えすぎて作った感じは否めない。
子供は背伸びして大人の映画を見たいのだが、
大人は子供と等身大にしようとする。
主人公たちは子供たちでいいとは思うが、
周りの大人たちもそれに合わせて簡単なキャラになってもと。
ヒーローものなので当然ヴィランが出てくるが、
この対決に葛藤もなく、あまり盛り上がらない。
ということで、ヒーロー映画を見に行ったら、
なんだか「スパイキッズ」だったような作品だった(ちょっとアクションシーンで退屈した)。
まあ、親は安心して見させることができるけどね。★★

by mahaera | 2019-04-28 10:57 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『レゴⓇムービー2』戦いの先に見たものは、敵はもう一つの正義だった


「レゴ・ムービー? しかも2だろ」と思う人もいるかもしれない。
そんな人はまず「1」を観てみよう。何の先入観もなしに。
ということで、この先も読まないようにと言いたいのだが、何も知らないで観るとそのSF的な展開と、ドラマの着地点に驚くはず。
『レゴⓇムービー』1は、レゴの世界で、選ばれし者が世界を救うパーツを発見し悪を倒すという、「ロード・オブ・ザ・リング」的な話かと途中まで思って見てみると、2/3ぐらいのところでそれは“あること”のメタファーというか、別次元の話であることがわかる。
神の視点が投入されるからだ。その時、思ったね。
ああ、この自分が住んでいる世界も、神から見たらこんな感じなのだと。
おっと、これ以上は書けないが、『レゴⓇムービー』のラストは、神が下した新しい決定(新約)が、レゴの世界に別の価値観を持ったデュプロが侵略するところで終わる。
そして本作はその続きから始まる。


デュプロの侵略後、レゴシティは荒廃し、人々の心はすさんでいたが、“選ばれしもの”だったエメットはただ一人いつものように超ポジティブ。
恋人のルーシーとのマイホームをユメみている。
しかし“宇宙”からやってきたものに、ルーシーや仲間のバットマンを女王の星に連れ去られてしまう。
エメットは宇宙船に乗り、女王の星へと向かう。

ストーリーはこんな感じだが、本作は一つ一つのディティールが、「何をレゴ化した」のかを考えてみると面白い。
お父さんお母さんなら、自分の子ども達の頭の中、そうじゃなくても自分が子供だった頃、何を考えて日々生きていたかを思い出すだろう。
想像力が足りない大人たちが多すぎるが、そんな大人もかつては頭の中に宇宙を創造するほどの空想力を持っていたはず。
神様がこの世を作ったなら、すべての子供たちは毎日頭の中で、世界をクリエイトしている点で神に近い。
おもちゃを動かして遊ぶのは、“神の視点”だ。
しかし、もう一人神が現れたら? 
自分が唯一の絶対神でなくなったら?

『レゴⓇムービー』『レゴⓇムービー2』のすごいところは、戦いの先に見たものは、敵は絶対悪ではなく、もう一つの正義だったということを子供にも大人にもわかるように描いてること。
子供が自分以外に最初に意識して軋轢を感じるのは、親。
これは『レゴⓇムービー』で描いた。次は兄弟姉妹だ。
親ほど絶対的ではないが親しい他者。時にはケンカもする。
それとどう折り合っていくかが『レゴⓇムービー2』のテーマだ。
特に相手が自分よりも、幼稚な存在だった場合に。

今回も、そのテーマが見えてくるのが、物語が後半に差し掛かってから。
レゴが現実世界のメタファーなら、今、私たちが生きているこの世界も、髪の頭の中だけに存在する世界なのかもしれない。そんな哲学的なことも考えてしまう作品だ。★★★


by mahaera | 2019-04-09 22:24 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『運び屋』 人生の終盤を迎えた男が、顧みなかった家族への贖罪を果たそうとする


クリント・イーストウッド監督・主演 公開中

“最新”と書きながら見そびれていたので、終了前にとようやくレイトで鑑賞。
ちなみにこの予告編と実際の映画は、印象がかなり異なる。

主なストーリーはこうだ。
かつて花の品評会で何度も賞を受賞するなど、周囲の人々から称賛を浴びていたアール。
しかし90歳になろうとする今は、仕事は行き詰まり、また大事にしていなかった家族にも見捨てられていた。
そんな彼が、麻薬の運び屋を引き受け、得た大金にアールは次第に運び屋の仕事にのめり込んでいく。
一方、麻薬の流れを追っている捜査官たちの手も、アールに近づいていた。。。

自分の父親はイーストウッドと同じ歳だ。
なので僕は昔から、父親とイーストウッドを重ね合わせることがあった。
父親が何歳の時は、イーストウッドで言えば何の作品だとか。
そんな父親も今では腰が曲がり、手足は細くなり、よく怪我をして入退院を繰り返すようになった。
似ているのはシワの多さぐらいだ。
そんなうちのイーストウッドは、家庭を顧みない人ではなかったが、母や我々子供達の中、正月の親戚に囲まれている姿は、どこか居心地が悪そうで、すぐに一人きりになりたがった。
この映画のイーストウッドは父とは逆で、外交的で人にジョークを言ったり、外面が非常にいい。
その分、家庭をまったく顧みず、娘の結婚式にすら仕事を口実に出席しない。
そんな彼が仕事を失って初めて家族の温もりを求めるが、当然ながら元妻も娘も彼の仕打ちを覚えていて、許さない。
愚かだが自分の支えだった仕事を失って、初めて家族の大切さを知るのだ。

そんな彼が偶然、麻薬の運び屋の仕事を始める。
大金が転がり込んできて、彼は今までの罪滅ぼしのように、そのお金で家族や周囲の人を助ける。
しかし仕事に縛られていけば、いつの間にか前と同じ。
家族よりも仕事を優先するようになっていく。

「家庭には俺の居場所がなかった」と病床の元妻を訪ねた主人公アールは言う。
仕事場ではチヤホヤされ、称賛を受けるが、家では何もできない。
週末、家にいても居場所がないから、口実をつけてゴルフに行く日本のサラリーマンと同じだ。

本作は、2度の結婚の他に多くの愛人がいて(5人の女性との間に7人の子がいるという)、妻や離婚を期待した愛人を傷つけ、子供の成長期に仕事で家庭を顧みなかったイーストウッドの懺悔の映画だ。
老境に達し、自分の残り時間が少なくなってから家族の温かみを求める主人公は、イーストウッド本人の投影だ。
父親との確執がある娘役に、本当の自分の娘であるアリソンを配役しているのも、それが関係しているのだろう。

若いうちなら人生をやり直すことができる。しかし90歳なら?
「時間は金で買えない」と主人公アールは、元妻に言う。
時間があるときは、そんなことは少しも考えなかった愚かな男。
しかし今すぐだってやり直すことができると、元妻は諭す。
すでにそこにいることが、やり直している証拠なのだ。
映画の中でイーストウッドは、元妻や娘と和解し、贖罪を果たす。
しかし実生活ではどうなのだろうと考えてしまう。
かつて暴力で悪党を倒す映画に多く出演したイーストウッドだが、今は「暴力による解決」を否定する映画を撮り続けている。
本作もそんな彼の贖罪の映画の一本なのかもしれない。
★★★★


by mahaera | 2019-04-02 10:09 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『ブラック・クランズマン』エンタメ度も高い、スパイク・リー久々の快作!


世界の各賞を受賞し、アカデミー賞でも脚色賞でも受賞したスパイク・リー、久々のヒット作。
スパイク・リーは“白人ばかりのアカデミー賞”に異議を唱えていたが、これで少しばかり溜飲を下げたろう(『ドゥ・ザ・ライト・シング』の時に受賞すべきだった)。


コロラド・スプリングスで初めて採用された黒人警官ロンは、潜入捜査を得意としていた。
ある日、ブラックパワーの集会に潜入捜査したロンは彼らの主張に共感。
逆に試しに白人至上主義団体KKKの本部に、白人になりすまして電話をすると、何も疑われなかったため、そのまま構成員になって捜査することに。
とは言っても実際に会ったらバレてしまうため、白人警官フィリップ(実はユダヤ系)を替え玉にして、二人一役の潜入捜査を続けることになる。
何度かバレそうにはなるが、潜入捜査は続けられ、ついに最高幹部であるデュークの信頼も得て、支部長にまで昇進することに。そして彼らのある計画を暴く。


本作は実話を基にしているが、黒人刑事がKKKに潜入捜査して二人一役をするという設定以外はほぼ脚色だという。
つまり原作は割と地味な捜査ものだったようだが、映画にするに際して、エンタメ的な盛り上げ、そしていつもながらのリー監督の強い主張が盛り込まれている。

実際、本作はかなりエンタメ度が高い
また、KKKを徹底的に笑いの対象とすることで、本来持つ人種差別の怖さをシリアスになりすぎない程度に調整している。
しかしそれは間口を広くためでもあり、笑ってスリルを楽しむなかで、KKKの滑稽さを笑いながら、それが今も続いていることをすんなり知ってもらうことだろう。ホワイトトラッシュのレイシストをうまく政治利用するのは、金持ちの白人だ。元からそこに住んでいる以外何も誇れない貧乏人は、体制を批判するのではなく、批判しやすい方へ向かう。それは日本でもどの国でも同じだ。その前に自分の人生立て直せよって


ロンの代わりになった白人が実はユダヤ系で(名前がジマーマンだ。KKKはアングロサクソン以外の白人を差別する)、彼がそれまで自分がユダヤ系であることを意識していなかったが、捜査を続けるうちに出自を意識するようになったくだりもうまい(一目でユダヤ系とわかるアダム・ドライバーが演じている)。
主人公であるロンも、当初は黒人でありながらブラックパワーに興味がない。演じるのは、名優デンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントン

日本人はぼーっと見てしまうと(チコちゃんに叱られる)ただのエンタメ作に見えてしまうが、アメリカ人にとっては笑いながらも今も身近な問題として感じるに違いない。
KKKは今も健在だし、トランプ政権になって再び人種間の緊張は高まっているからだ。「分断して統治せよ」は今も続く。
映画のラスト(最近のニュース映像)はリー監督らしく、その現実を私たちに突きつけるのだ。
★★★☆


by mahaera | 2019-04-01 11:27 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『シンプル・フェイバー』オシャレなサスペンス・コメディー。そこそこは面白いが。。


アナ・ケンドリック、ブレイク・ライブリー共演のサスペンス・コメディー
シングルマザーのステファニー(アナ・ケンドリック)は子どもの送り迎えで、息子の友達の母親エミリー(ブレイク・ライブリー)と知り合う。
育児と料理のブログが生きがいで、どちらかとえば鈍臭いステファニーに対し、ファッション業界で働くエミリーは見た目も生活も華やか。
ある日、ステファニーはエミリーから子どもを預かるが、エミリーはそのまま失踪してしまう。
やがて意外な事実が。。。

コメディ系の主演で人気があるアナ・ケンドリック、美人系でスタイルも良く華やかさがあるブレイク・ライブリーという対照的な2人の旬の女優共演のサスペンスコメディ。
失踪したママ友を探すため、個人的に捜査を始めるステファニーだが、調べれば調べるほどエミリーの意外な過去が。
中盤までは文句なく楽しいが、しかしそこから失速していくのは、話が少しシリアスになり、気楽に映画を見ていたのが“殺人”という生々しい出来事が起きるからか。

それでも全体のトーンはコメディ。
なぜか全体に流れるレトロなフレンチポップス(フランスギャル)が、作り物感を出して映画を軽くするのに貢献。
エミリーのダメ夫に『クレイジー・リッチ』の金持ち息子ヘンリー・ゴールディング。
誠実そうだが、そうでもないという雰囲気にピッタリだ。
あとはストーリーに関係なく、スタイル抜群で毎回華やかな服に身を包んで登場するブレイク・ライブリーに、男女とも目が離せないだろう。

ということで、気楽に楽しめるサスペンス・コメディーなのだが、見終わった後、残るものが少ない。
こうした映画は主人公の魅力1つで変わるのだが、どうもアナ・ケンドリックのカマトト演技が鼻についてしまったからか。

残念。★★★


by mahaera | 2019-03-20 10:35 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』 ラジー賞受賞の人間とマペットの“相棒”刑事映画


「セサミストリート」で知られるマペットマスターのジム・ヘンソンの息子ブライアン・ヘンソン監督による、人間とマペットによる犯罪捜査ドラマ。
主演はアメリカで人気のコメディ女優メリッサ・マッカーシー
しかしアメリカでは酷評され、全世界の興行収入を足しても製作費の半分にもならなかった。

まあ、この映画、確かに一体誰が見たいのか、そして一体誰に向けて作ったのかよくわからない。
人間とマペットが一緒に暮らす世界という設定がどうなのかというのはひとまず置いておいても、見ていてなんだかなあという描写が多いのだ。

子供向きではないのは、全体的に下品(エロ)な描写(マペットがしているので一見グロくは見えないが)がやりすぎなのと、バイオレントもマペットだからギリ笑えるけどねというシーンが多すぎだから。
確かにショッドガンでマペットの顔が吹っ飛んでも綿が飛び散るだけだし、たくさんの犬に食いちぎられても、布と綿がバラバラになるだけだが、映画の中ではマペットは死んで生き返らない。

かといってそれほどつまらないわけでもなく、ある一定の「ひどいなあ」というテンションをずっとキープし続けるので、ひどいと思いながらなんとなく最後まで見れてしまう。

ただし、物語のオチや結末はどうでもよく、見終わった後は、「一体何の映画みてたんだっけ」という気分になることは間違いないけど。
主演のメリッサ・マッカーシーはアメリカの人気女優だが、本作でラジー賞(最低映画賞)の最低主演女優賞を受賞。
もっとも彼女は別作品『ある女流作家の罪と罰』で今年のアカデミー主演女優賞にノミネートされていたので、ラジー賞では「名誉回復賞」ももらった。
つまり演技がダメというわけではなく、なんでこんな酷い映画に出たのという意味合いだろう。
ということで、「ひどい」映画好きな人向けだけど、まあ観なくてもいいかな(笑)

by mahaera | 2019-03-04 08:42 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『マダムのおかしな晩餐会』 コミカルで風刺の効いたアレン風味の大人の恋愛ドラマ


2016年/フランス
監督:アマンダ・ステール
出演:トニ・コレット、ハーヴェイ・カイテル、ロッシ・デ・パルマ
配給:キノフィルムズ
公開:11月30日よりTOHOシネマズシャンテほかにて公開中

お金を払って映画を見るとなると、
ディナーもデザートも同じ値段ならどっしりとしたディナーのほうがお得かなと、大作映画をつい選んでしまうことが多いだろう。
本作はそういった意味では、デザートや間食のミニサンドイッチみたいなものだが、それも映画。
洒落た会話や笑い、風刺、人生の皮肉を楽しむ作品だ。

物語の中心となるのはふたりの女性。
お金持ちの女主人とそのメイドだ。舞台はパリ。
アメリカからパリの屋敷に越してきた裕福な夫婦アンとボブ。
アンは友人たちを招いたディナーを計画するが、
ひょっこりやってきたボブと前妻の息子が出席することになり、
人数は縁起の悪い13人に。
そこでアンはスペイン人メイドのマリアを、
招待客に仕立て上げる。
ところが最初はおとなしくしていたマリアは酔いも入り、
下品なジョークを連発。
それが招待客の一人にウケてマリアに一目惚れしたことから、事態は思わぬ方向に転がっていく。

ウディ・アレンも取り上げそうな、裕福な階級でのパーティ。
アンは裕福な夫(実は資金繰りに困っている)と結婚しお金と地位も得たのに、心はどこか虚しい。
夫が自分を愛しているかわからず、常に不安に悩まされているのだ。
一方、夫に先立たれたマリアは、仕送りしているひとり娘を生き甲斐にし、人生をポジティブにとらえている。
この二人を対比しながら、成り行き上、マリアが身分を隠して招待客の一人と付き合いだすことから生まれるコメディ部分(正体を隠しているので)、そしてアンの中年の危機、舞台をパリにしたことで生まれるアメリカ、スペイン、フランス、イギリスなど各国の男女の恋愛観などが描かれていく。

夫婦なのに心が通い合わせない「愛のすれ違い」、
嘘をついているのに惹かれ合うふたりという2つのカップルが描かれるが、アレン作品ほど教訓じみていないのは、恋愛を悲観的にとらえるアレンと違い、こちらはフランスの女性監督が描いているからか。
アレンだと「こんなに愛しているのに、いつか愛は壊れる」だが、「先のことは考えず、いまを楽しみましょう」という感じだ。
マダムは『リトル・ミス・サンシャイン』などのトニ・コレット、メイドにはアルモドバル作品で知られるロッシ・デ・パルマ(日本人的感覚では美人かはかなり微妙なのだが顔にインパクトあり)、マダムの夫をハーヴェイ・カイテルが演じている。
★★★

by mahaera | 2018-12-10 12:40 | 映画のはなし | Comments(0)

最新映画レビュー『セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!』もしこんな出来事が起きていたらと、ほっこりするコメディら


監督:エルネスト・ダラナス・セラーノ
出演:トマス・カオ、ヘクター・ノア、ロン・パールマン
配給:アルバトロス・フィルム
公開:121日より新宿武蔵野館ほかにて公開

■ストーリー
1991年のキューバでは、欧州での共産主義陣営の崩壊を受け、経済が深刻な打撃を受けていた。
また若者たちを中心に、価値観も変わろうとしていた。
そんな中、モスクワ大学に留学し、大学でマルクス主義を教えているセルジオも
社会の変容に戸惑っていた。
セルジオはアマチュア無線が趣味で、彼の苦境を知ったニューヨーク在住の
交信仲間のピーターかり最新式の無線キットが送られてくる。
しかしそれは当局にセルジオが目をつけられることでもあった。
ある日、セルジオはソ連の宇宙ステーション「ミール」の宇宙飛行士セルゲイと交信する。
やがて2人はお互いの家族のことや将来への心配を語り合える親友になっていった。
12月、ソ連は消滅しロシア連邦となる。
地球に帰りたいセルゲイのために、セルジオはある計画を練るのだが。。

■レビュー
最初にこれは実話ではなく、「もしあの出来事の舞台裏でこんなことがあったら」
という想像を膨らませたフィクションであることを知らせておこう。
僕も映画を見るまでは実話かなと勘違いしてた。
若い方はご存知ないと思うが、1989年に長年続いていた東西両陣営の
冷戦構造が崩壊したのは、あっけないほどの速さだった。
超大国ソ連も一気に崩壊し、たちまち貧乏国になってしまった。
そんな国家の混乱の中でも宇宙飛行計画は続いており、宇宙ステーションのミールに
ひとり取り残されたセルゲイは、「最後のソ連国民」と呼ばれていたという。

宇宙飛行士セルゲイ・クリカレフは実在の人物だ。
10年に渡って宇宙滞在時間の最長記録を保持しており、
映画のモデルとなったのは1991519日からの宇宙滞在で、滞在が延長される中、
1225日にソ連から離脱してロシア連邦が成立する。
セルゲイが帰還したのは翌年の325日のことだった。

映画は全体的にはコメディタッチで、基本的には出てくる人物は善人か、
悪役となる権力者側も“間抜け”に描かれ、陰惨な感じはない。
もちろんその中にも、キューバ国民の将来への不安やその後に起こること(ボート難民など)が
顔をのぞかせてはいるが、国家が頼りにならないとなると、
人々は違法ながらラム酒を作ったり葉巻を巻いたりと、たくましく生きる姿に描かれている。

気楽に観られる映画で、後味もいいが、
もう少しひねりが欲しかったかな。無い物ねだりだが。
★★★
(旅行人のウエブサイト「旅行人シネマ倶楽部」に寄稿したものを転載しました)

by mahaera | 2018-12-02 09:12 | 映画のはなし | Comments(0)